カナダ 

 

 英語を学びオーロラを撮る 

 それだけを思って 旅に出た 今回は今までと違い 学生としてでは無く freelance photograperとしての旅だった

 何を思ったか 10日前くらいに自転車購入 行ける所まで行ってやろうと思った

 出発当日多くの人に成田空港まで見送ってもらい日本を後にした

総重量 荷物50キロ越え 人間53キロ 100キロの荷物を積んだ

air canada(前日倒産のニュースが流れたが 未だに動いている) は初アメリカ大陸に向けて出発 予定は 180日間だった

 

 

〜自転車は辛いよ編〜

 慣れない英語 初自転車 長期の旅 いつも通り不安は絶えなかった   もらった複数の手紙を噛み締めながら読む

もうこいつ等に会えないかも知れないそんな思いだった(いつも通り 実は本人かなりビビり屋&心配性)

 バンクーバーに着くと晴天 少し寒いがこんなもんか... と眠いながらに思う(時差ー16時間位 つらい)

早速 空港前の広場で自転車を組み立てる(初挑戦)

 観光客は何だあいつは...痛い視線 かまわず 眠さに耐えながら組み立てる 小1時間位で完了

荷物を積み出発(荷物を初めて全部積んだ) 何だこりゃ... 自転車は重かった 初めてで ハンドルは ぶれる 進まねー

 カナダの大地を感じながら ゆっくりと走り出した 俺自転車むいてねー 走り出して5分でわかった... 

初日は志賀高原の山ごもりで一緒だった やまさんの家に向かう

 右側通行じゃねーか 何だこれ 高速って書いてあるじゃねーか ってここ何処よ とかブチブチ独り言をかましながら 進む

2時間くらいかけて到着 インターホンを鳴らす 出ない 何やら留守番インターホンになったらしい

『やまさーん 何処ですか??家の前で待ってます』

 意味の無い質問返るはずの無い返事 留守番インターホン 仕方ない と路肩に座って 1服 2服 3服... 

総合36時間起きつらい 寝ようかなここで  と思った時 あきらくんですか?と女の人の声 

俺ってすげー有名人??とか勘違いしながら 会話が始まる やまさん同居人

あきさんだった 救われた ...

数時間後 山さん帰宅 久々の再開だった

 それから10日近く 山さんの家で世話になる 時差ぼけは 5日ほど続いた

 カムループス(バンクーバーから400〜500キロ)まで自転車で行くか 迷ったが せっかく持って来たんだし と言う事で決意

 熊をビビりながら出発する 

 

 こうして始まった自転車の旅だが 今まで自転車で1日20キロ以上走った事の無かった自分にとって未知な世界だった

 バイクで一日650キロは走った事があったが 人力は...

 

きつい!!

 こんなになだらかな坂なのに 進まない 重い 足の感覚が無くなる  歩いて押しては また乗って...そんな事の繰り返し 

 カナダは高速道路を多くの場所で走れる うれしい反面 風速は予想以上 大型トラックが通過した時は たまらない

で高速道路をひたすら進んでいたその時 何やら乗用車が前に止まった 何だ...と思っていると  警察 何やってるんだ と言われて

カムループスまで と言うと  次ここを走ってたら 罰金とるぞ みたいな事言われて 何だよ 走って良いんじゃねーのかよ 

とかぶつぶつ言いながら 泣く泣く 高速を下りる   なんとその区間だけ 自転車通行禁止区域だったのだ 

そんな事 必死に走っていたら 分からない 迂回路を探し 前進  初日は100キロ位でキャンプ場発見

ぐったりした状態でテントを張り 飯を食って寝る 熊を恐れながら...

いてー と目が覚めると前身筋肉痛 仕方ない あー だりーなこれとか言いながら スタート で4時間くらい走った頃だろうか 

目の前に急な坂が 出て来た

 やべーよ 進まない 徒歩より遅いスピードで 押したり こいだり 一つの坂を越えるのに1時間はかかった 途中で車がすごい勢いで抜いていく

 車はすげー バイクもすげー 誰か荷台に乗っけてくれないかなー と言いつつも こぐしか無い その後 坂は のぼり下りを繰り返す

 登って下るなら 平らな道作れ このやろー と叫びながら 走り続けた

 そんな日を数日過ごし 結局熊にも出会わず カムループス無事到着した(毎日独り言愚痴ばっかりであった)

 

 

〜カムループスは良い所だ〜

 何故ここを目指したかと言うと 学校がここにあるからだ 目的の一つである 英語 そのために 2か月語学学校に入る事を決意 

 カムループスは観光客も少なく のんびりした町で気に入った YHに泊まった ここでカズヤ 最後にまた登場する に出会う

 人生初のホームステイも始まった 家族は ものすごく良い人たちで  ほとんど話せない自分にやさしく そして 温かく迎えてくれた

 こうして 学校も始まり 定住生活へと変わった。

 学校は朝9時から夕方4時 高校並に長い 大学をほとんどさぼっていた自分にとって 久々に勉強するぞと言う気持ちになった

 勉強とホームステイ家族との楽しい日々が続く...

 

 

車買うか...

 自転車に乗った理由は多分こうだった 『写真が自由に撮れる』  が結果はこうだった 『そんな余裕は何処にもねー』

 自転車は自分に合っていなかった そこで 今までやった事無い移動手段 として 車を選んだ 話を様々な人から聞き 購入を決意

 カナダ人から直で買う事にした インドで習った 値段交渉で戦う  800ドル(5万〜6万)で購入 保険が同じ位かかった

 学校に行き始めて2週間目の大きな買い物であった...実は俺ペーパードライバー 左ハンドル経験なし右側通行経験なし

カナダの道の広さに救われ 運転できるようになった 

そんなこんなやっているうちに日々は流れていった 学校の奴と車で出かけたり 遊んだり 家でパーティー開いたりと 楽しかった

ある時 ここを出た後の事を考えた 自転車やめたし 当初とは既に予定外であった うーん 車もあるし カナダ横断してみるか...

突拍子も無い発言にホームステイ一家驚き せっかくだから やってみよう 予定は全て崩れ去ったのだった...

 

 

〜車は楽だ〜

 学校も終わり 学校の仲間と旅を車でやる 途中で別れ そんで自分はそのまま 東にひたすら走る事にした

ホームステイ家族に別れを告げ 生きてたら必ず帰る と言い残して出発 移動生活車編開始だ

 

 

でかい

 カナダはでかかった 1日1000キロ近くかかって 端から端まで  1か月 途中はほとんどキャンプ その時は 車が側にあるので

 熊は恐れなかった あと車がやたらと古い 1983年製 トヨタターセル 25万キロオーバー なのでオイルが1000キロに2L無くなる

 普通じゃ考えられない量だ ついでに リアサスペンションが左右いかれた 120キロ位で走っていると 後輪がぶれるぶれる たまらねー

一人で運転していると眠くなる 音楽は オーディオが全て無いので聞けない 窓を開けて 歌い続けた...

 とは言うもののなんだかんだ言っても 自転車の十倍進める車は素晴らしい 眠いとか言っている余裕があるだけで すごい事だ

 途中様々な人にあった 自転車で横断しているおじいちゃん キャンプカーで横断している老夫婦... 切りがない

 そんな中で印象にあるのが 名もなき場所でインターネットをしている時に 声を掛けられ そして 家に招待され 

5日ほどお世話になったカナダ人夫婦だろう 何でだろう いきなりの外人に話しかけ

家に招待してくれるその 寛大さは 考えてほしい 日本にも多くの外人が旅をしている その人に話しかけて いい人そうだったら

 家に招待できるだろうか?? 多くの人が出来ないだろう

カナダ人は世界での良い人ランキングがかなり高いと聞いていたが これほどまではと...

つたない英語で会話 もっと話せたらとつくづく思う その人たちは 仕事があるにも関わらず

空き時間で様々な事を教え そして連れて行ってくれた 時間じゃない人と人の関係 それを感じた

もしもこんな人々が世界中にいたら もっと世界に笑顔が 信頼が生まれるだろう

 

 

〜北米最東端〜

 北米最東端(ケイプスピア)についたのはカムループスを出てからわずか1か月ちょいであった

カナダはでかいが ほぼ何処に行っても景色は変わらなかった それを横断して気づいた

 細かく言えばいろいろあるが 日本のように 北が雪原で 南が海水浴できる そんな変化は無かった

 まー何より無事に車で横断した事は良かった がこの先 北部に行く事を少しずつ恐れ始めていた

 

 

〜北上〜

 カナダ横断も無事に終え 次に目指したのは 観光客がめったに行かない ヌナブト準州 

 そのため ガイドブックにはほとんど情報は無く 全く無知のまま飛び込む感じであった

 北極圏近くでのキャンプ YHなど有るはずも無く 宿はあるが 設備が高いため 一日1万円位からしかない 

 

 シロクマは出ないのか? 治安は良いのか? 食料は確保できるのか?  生きていられるのか??

 そんな思いで首都 オタワからのフライト 前にも書いたが 何故観光客が来ないかと言うと 物価が高い事 宿が高い事 航空券が高い事

見どころが無い事 寒い事 情報がほとんど無い事などが考えられる だったら 行こう!

 これが俺の考え方だ そこまでいったら金ではなく 写真を撮る事 撮って知らせる事

そこに何も無くても それを伝えようと思う  と言うわけで ビビりながら ヌナブト順州 州都 イカルイットに到着

 空港は町からわずか 徒歩10分 30キロ以上の荷物を持って 歩き出した 大体の人は 日本人と同じ顔をしている 現地人

イヌイット 俺らの先祖はモンゴロイドなのだ 遠い昔 海を渡り 移り住んだと言われている

だが言葉は 全く持って違う(知らないだけかもしれないが) 文字はまるで 記号 読めない

 まーこんなのは チベットも一緒だったし平気だった 今回救われたのは 英語をほぼ 

 全員話せる事 カナダだから当たり前と言っては当たり前だが 俺らが英語を話せるか って言ったら話せる人は少ない

 なにやら インフォメーションがあるらしい と言う事で行ってみる  英語とイヌイット語 の共生するインフォメーション 

 英語で話を聞く 何処でキャンプできますか?? どこでも平気です... あ そーなんだ... シロクマは出ますか??

 はい出ます.... やっぱりね...予想通り... ちょっと参った

 公園が 空港側にありそこは川も近いし見晴しも良いし トイレもあるからお勧めです と言う言葉を信じ 公園に向かう

 荷物は重く イヌイットの人々は 自分の荷物を見て あら大変ね そんな感じで見ていた

 公園に着くと 何も無い ただの荒れ地だった 唯一の決め手だった トイレは鍵が掛かっていて 使えない...

 見晴しが良い変わりに 風は鬼のように強く テントを張るのが一苦労だった 

テントの裏の丘を登ると雄大な 大地が見えた ここか  ヌナブトは ツンドラ気候は...

川があった ポツポツと人が見える 話を聞くと サーモンを取っているらしい... サーモンって 熊の大好物じゃねーか...

 焦った 本気で食われるかも... 恐ろしかった それよりも恐ろしい事が夜に起きた。。。。

 天候は悪化し 台風のような風 ラジオで天気を聞くと 風速時速60KM...

 やばかった テントが歪む 雨が吹き荒れ そして 寒い

 気温は8月末だと言うのに 0度前後 外に出ると 嵐が吹き荒れている 気温はまだ良いのだが 

 体感気温はー20°近くにはなっていたと思う WOO-どうなってんだこれは

 人間なので トイレに行く と言っても大地がトイレなのだが 嵐の中で立ちション 

 もう何処に飛ぶか分からない 服についても 雨で洗い流される ずぶ濡れでテントに戻る 前室でアウターを脱ぎ

 寝袋に入って寝るしかない 写真も撮れない... 寝たいが 風が強いのでテントを支えなければならない... ついでにシロクマが恐ろしい 

風の音で接近していても分からないのだ  本当に参った

結局朝何も無く無事に目を覚ましたわけだが どうなったかなと思い 丘に登ってみると 向こうに見える丘が 真っ白だった 雪だ...

8月だよな ついでに北半球... 

 天気は相変わらず良くないが 霧雨なので町を歩く 食料を調達する  町(州都なのに人口6500人)

にはスーパーが2つある 値段は南部のほぼ2〜3倍 これにも参った

図書館を発見し インターネットも発見 なんと無料 驚きだった

 まーそんな事をしながら 2日3日4日 と過ぎて行った 毎日 風と 格闘し シロクマを恐れていた事は 言うまでもない

 風呂に入らず 水は川の水 トイレは大地 寒さと 食料不足でちょっと精神が衰弱していた 

 (良い忘れたが 食事は全て外で作らなくてはならない 熊は臭いに敏感なので 食器なども離れた場所に置く)

 そんな5日目 いつものように 町をプラプラして 今日も終わったなと思った時 話しかけられた

 How's it going? Not so bad,but it's bad weahter,isn't it??

 会話が始まった 何処に泊まっているんだ? 公園だけど... 寒くないのか? きついねー 特に夜は... 

 家にこないか? いや でもできる所まで やってみたいんだ だから ありがたいが キャンプ場に戻るよ

 そーか まーその前に 家でお茶でも飲んで行けよ と言う事で お茶だけ飲みに家に行った

久々の家 外は こんなに寒いのに まるで... 奥さんと 今はここで 仕事の為に住んでいると言う

 お茶をもらう 血が 流れるのを感じた 凍り付いた 細胞が 5日の冬眠より覚めた そんな感じだった

 部屋はあるんだ 気にせず 泊まれば良い... そうします

 本能が叫んだのだろう 意志とは別に 体がここを欲していたようだった キャンプ場に戻り 荷物をまとめて 家に戻った

 シャワーを浴びた 生き返った 服を脱いだのが 5日ぶりだった その間 脱ぐ事すら出来なかった

 温水に感動した 当たり前のことがこんなにうれしいとは...

 飯もごちそうになる 本気で 血が動いてるのがわかる 体が温かいんだ

 感謝してもし足りない そんな思いだった

 

 

 

〜ハンターキャンプ〜

 こうして 1泊1万くらいするヌナブトで一般の家庭にただで泊めてもらえる事になった

 何でもこの一家はすごく スティーブ(旦那さん)は 小型飛行機で旅をしたりインタビューなどの仕事 リーア(奥さん)は ニュースキャスター

で天気が良ければ明日 バンクーバーに小型機で行くと言う もしや 俺も行けるかも...

乗って行っても良いですか?? いいよ!! 答えは即答だった

マジで... ヒッチハイクは聞いた事あるけど ヒッチフライトとは... すげー これは 

でもな... 天気が良ければな と条件付きだった まー何とかなるしなるようになるさ と

荷物をまとめて 天気を待った 次の日 天気悪し 飛べず...  次の日 天気悪し 飛べず... 次の日... 

天気は良くならなかった 結局仕事があるので 仕方なく 大型機(一般の飛行機)でバンクーバーに帰って行った

で自分はと言うと 誰もいない 人の家に泊まっていた 数日しか話した事の無い相手に 家自体を貸してくれたのだ 驚き と言うより

どうすればお返しができるか それだけを考えていた 

さらにスティーブは あるキャンプを計画している仲間に連絡を取っていてくれたらしく 仲間が家に遊びに来た

明日からキャンプに行くから 荷物は適当に持って来て で家の前に... とゆっくり分かるように説明してくれた

夜は相変わらず一人で のんびりしながら キャンプについて考えていた 何処に行くのだろう... まー任せるしか無かった 

朝 時間通り出発 船かよ いきなりビビった 朝もやかかる 海の上を 小型ボートは走り出した 着れるものは全て着た が少し寒い

マイナスを考えた装備なのに...  もやで先なんて見えないのに ジョージ(船頭)はすげー勢いで船を進ませる 沈んだら間違い無く 

死ぬと言うのに 恐れ入った

何にも予定を知らない自分は 何時間船に乗るのか 何時間歩くのか 何処に行くのか 不安であったが なるようになる(いつも通り)と笑っていた

突然ライフルを構え出したジョン とアダム 何だ何だ!!! アザラシの群だ 頭だけ出てる 狙いを定めて 

 『ドッカーン』 撃ったよ ビビった 狙いははずれ アザラシは海中へと逃げて行った

 海の上では アザラシを狙い続けたが 捉えられず 5時間位して陸についた 何だここは... 見た事も無い景色が広がっていた すげーぞここは

 船を碇で止め ハイク開始 凄まじい山越え 全部で6人のパーティーは歩き出した 誰もいない 何も無い ... 

ここで置いて行かれたら間違えなく遭難する 

 見た事も無い景色の中を2時間くらい歩いただろうか 前に 小屋が一軒現れた すげー 絶景の中に立つ一軒の小さな小屋 

何でも ジョージ クリス ジョンの3人が冬の間に スノーモービルで資材を運び 夏に建てたと言う 電気も水道も何も無い

この小屋を誰が知っている? と聞くと このメンバーだけらしい ついでに今まで外人は来た事が無いらしい 日本人初めての土地 上陸

 うれしかった と共に驚いた  その日は 皆へとへとで持って来た食料を食って寝た

 次の日 遂にハンターが動き出した 俺はハンター アダム とジョー  (ジョージとナンシーの息子)と行動を共にする 

何気ない会話 だが心は通い始めていた 俺はカメラを アダムはライフルを担いで歩きだした

 と 突然目の前を何かが動いた あれ... 見ると カリブー(トナカイ)だった アダム ジョー LOOK LOOK!!!!!!

 空気は一瞬にして 緊迫 アダムが狙う 『ドッカーン』 外れた カリブーは 少し逃げたが 再び近場にいる アダム再び『ドッカーン』

ウオー あったった カリブーは逃げようにも足が砕かれて 動けない 近くに寄り 写真を撮る  

アダムがナイフを持っていなかったので 俺のナイフを貸す 目の前で 解体が始まる 首にナイフを入れると 静かに一つの命が終わりを告げた 

リアルだ これが命を奪うと言う事なんだ 自分が生きる為には 動植物の死骸を食わなくてはならない それを再び身を以て感じた

 ジョーが叫ぶ と小屋にいた ジョンとジョージ ナンシーが 駆け寄る 皆で解体が始まった

 写真を撮りまくる 生を感じながら 鼓動を感じた 

 カリブーはその場で解体され 鞄に詰めて 小屋まで運ばれて行った  すげー ...  

その後 一人でプラプラ しに行く 一応の事を考えて ライフルを担いで

GPSを借りて 遭難しないようにしてくれた 裏の丘に登ると 凄まじい 景色 大地を感じる すげー 

 その時 カリブー出現 ウォー と構えたのはカメラだった すぐに逃げてしまったが 俺はライフルを構えなかった

 ハンターとしては失格だ あと 男として失格だ だが今でもカメラを構えた自分が好きだ 甘いと言われるかもしれないけど...

 小屋に帰ると ジョーが 叫んでる 行ってみると アダムがでかいカリブーを捕まえていた すげーぞアダム

ナイフが再びなかったので  俺のを使う 今回は写真を撮ってる場合では無かった 

ジョージとジョンがハンティングに行っていていないのだ

 さっき見たのを参考に 手伝う オー まだ温かい 心臓は動いていた血と体温を感じ さばく リアルだ 

こうして何とかさばき 小屋にもって帰ろうとした時 二人が帰って来た 鞄には足が... カリブーだった

1日で収穫3頭 悪くない  小屋へ皆で帰る

 晩飯は... カリブー食い放題 すごいぞ 新鮮そのもの 持ち寄りのバーナーを並べ 上に網を置き焼く 悪くないこんな生活

 カリブーはと言えば うまい 『いただきます』の自分的解釈を皆に教えた 人類は死骸を食わなければ生きて行けない 必ず殺す

 その犠牲になったものへ 命を頂きます のいただきますなんだ と 皆で言う 頂きます 

アクセントなんて関係ない 民族の壁を超え 言う 頂きますは 心に響くぜ

その晩 外で小便をしていたジョージが外に来いと言うので 行ってみる 空を見て 一言 Northern lights!!!! マジかよ

 雲であんまり見えないけど 緑に光っている これか これなのか 俺がカナダに来た理由は 鳥肌立ちまくり 足ガクガク

 すげー 相変わらず この一言しか言えない自分は一体何ものと思うが  これしか言えない

外は凍えるように寒かったが 気分は最高だった   こうして キャンプを終え ハイクで2時間 船で5時間かけて 帰って行ったのであった

 肉体は疲れていたが 精神はなんと充実した事だろうか ジョージ ジョンから学んだ事は多い 

まだまだ知らない事だらけだ 無力を再確認する キャンプであった

 

 

 

〜日帰りキャンプ再び〜

 突然の電話 出てみると クリスだった 明日 歴史跡に行くから 時間あけといて そんな連絡だった

行きますとも 行かせて頂きます   と次の日 クリス迎えに来てくれた 向かう先は やっぱり 船着き場 今日も船か 

船だった クリス ジョージ ジョン ジョン奥さん と共に 出向 小1時間くらいで 現場についた

 なにやら ここは イヌイットの人々が暮らしていた跡らしい 散歩しながら 話しながら 進む 小島ですぐに終わってしまった 

 そっからはやっぱり食事 酒盛り 何も持って来ていない自分は 申し訳なく頂く こんな日々が続くのも悪くなかった

帰る時に新月で真っ暗だったせいもあって 船のスクリューに絡まって 電気クラゲ 夜光虫が緑に光っていた 空では オーロラ

 色が似てる 蛍光緑なのだ 自然は こんな所でも似ているのだ 壮大な何かを感じる

 

 

〜イカルイットを去る〜

 人と別れるのは寂しいものだ 空港まで ジョージが送ってくれた 途中でクリスも来てくれる 

イカルイット(ヌナブト)は冬が一番美しい また帰って来い お前は 北の家族なんだから 泣ける 泣けるぞ 言葉はそこにいらない 

堅い握手をする 

俺は必ず帰ってくる その一言を残して ゲートをくぐり 飛行機へと歩いて行った

 スティーブ リーア ジョージ ジョン ナンシー アダム ジョー  ありがとう いつの冬か 必ず帰る さらば イカルイット

 

 

〜オーロラを撮る〜

 イカルイットではオーロラは撮れなかった 初めからオーロラを撮ると決めていた地 イエローナイフに飛行機で到着 

あらかじめ1か月予約しておいた island B&Bのオーナー ジョアンが迎えに来ていてくれた

始まった 俺の目的のオーロラ撮影 宿に着きまずは荷物をしまい 街を探索しに行く 街は小さく歩いても十分に回れる大きさ

 食料などを買い込み 帰る 夜が待ちどうしかった 日が沈んだ頃  オーロラが空全体に現れた 薄い緑色

まるで天空にかかる橋のようだ 三脚を担ぎ外へ すげー イカルイットで見たオーロラとはまた違う

 スケールが遥かに大きい気がした すげーとか言って 写真を数枚撮ったが 疲労で夜0時に寝てしまった

 朝起きて 飯作って 食って街に出てインターネットやって 英語の勉強して 天気予報見て オーロラ撮影 そんな毎日が続く

そもそもオーロラとは何なのかそれを知りたくて インフォメーションに行って情報を集める 

 オーロラとは太陽が爆発した時に太陽風(電子の嵐 決して風では無い)が発生し2.5日かけて地球に到達する 地球は大きな磁石なので

 電子が吸い込まれてくる その時に地上400キロ以上の上空で 空気中の酸素 窒素 などと衝突する時に発光する現象である

 言ってみれば バーなどにあるネオン管と同じ原理なのだ 色の違いは  気体の種類 衝突する高さ により緑 赤 青が出現する 

主に見れるのは緑である

 ものすごいオーロラが見えた後27日後にまたすごいオーロラが出現する可能性が高い なぜなら太陽が27日周期だからである 

 あと9月と3月はなぜかオーロラが活発になる オーロラとはこんなものだ 行けば必ず見えるわけではなく 運がいいか悪いか それだけだ

 まーそんなこんなで 毎晩天気予報を確認し 10時頃に秘密の誰もいない岩上に登り マットを敷いて オーロラの出現を5〜6時間待っていた

 あー今日はたいした事無いオーロラだな とか思っていると 突然 オーロラの光が強くなり始め 天空をオーロラがいっぱいに広がる

 その広がる姿は 凄まじい動きと共に数々の発色 紫の色を発しながら  動き回っていた事もある そんな時は 鼓動が早くなる 何だこれ??

すげーなの連発 それしか言えず けど鼓動は凄まじいまでに感じる まるで 地球が 宇宙が 呼吸しているように思った 

森羅万象は生きている そう感じた

 大体毎日薄いオーロラは確認できた ブレイクアップ(凄まじい大きさのオーロラが出現する現象)は1日待って来るかこないか位

 しかも出現してもたった5分〜10分で終わってしまう ぼーっと眺めてたら シャッターチャンスは無くなる 

さらに困った事に何時にどの方角から現れるか分からない

 360度見渡せる場所で根気良く待つしか無いのだ ただものすごいオーロラが見えた時にはそんな事は忘れてしまう 全ては一瞬の為に...

 今まで待って写真を撮った事が無かった自分にとっては新しい写真の撮り方であった 撮り方はガイドブックに載っている方法で良いと思う

 撮りたい人は 短気では駄目だ と思った こんな感じで 30日間ほぼ毎日待って撮ったオーロラが 違うページにあるものだ

 自分としては一生に一回は見ても良いんではないか と思う 見た者にしか分からない感情があると思うから

 

 

 

 5日で90時間...

 あっという間に30日が過ぎ イエローナイフを去る事になる いろいろ考えた末 カナダ全10州+3準州 全てを回ろうと思い 

最後の州へバスで行く事にした

 なんと飛行機で2時間の距離を50時間かけてバスで行く いやー長い  脳みそがおかしくなりそうになりながら ひたすらバスに乗り続ける

 しかも到着時刻が朝4時って 参りました 30キロ超の荷物を背負い  宿まで約2キロ歩き続ける 俺何やってんだろう そんな事をつぶやいていた

 これで全州を一応回った事になる いやー カナダはでかかった カナダ人と話し手も お前はクレイジーだといつも言われる 

クレイジーは俺にとって褒め言葉だ

 宿には1泊し次の日の夕方 懐かしきカムループスに向けて35時間超のバスに乗るのであった...

 

 

 帰ってきたぞ?

 遂にカナダを1周し懐かしのカムループスに帰ってきたわけだが 到着時刻 AM1:30 バスなんてあるはずは無く 仲間に電話できる時間ではなく

 この疲労した体にまたもや試練 朝までバス停で待つ 仲間の家まで歩く 24時間営業の店を探す それしか選択肢が無かった 

 どうしようもなく 腹が減っていたので バス停のコインロッカーに荷物を入れ暗いバス停周辺を散策 あったやってるぞー 選択の余地無く

 店で飯を食う 朝4時まで粘る がさすがにいずらくなり 体力も回復したし 仲間の家まで歩くか... とバス停に帰った所 

ドア閉まってる...

 早く寝させてくれ この体そろそろ壊れます... とつぶやくが 開くはずも無く 再び違う店に戻り注文 ついてねー

 朝6時まで日記を書く以外にやる事も やる気も無く ぼけーっとする  そろそろ開くだろ と思いバス停に帰るが...開いてねー 

とタバコに火をつけた時 人影が 開いた 

 早速荷物を持ち 暗い道をひーひー言いながら歩き出す 仲間の家は... 山の上だった たまらない 疲労した体 30キロの荷物  急な坂道

 なぜこんなについてないのか 悲しくなりつつ 歩く 日が昇り始めた頃やっと到着 がまだ時間が早い 仕方なく 裏庭に潜入し 

仲間の部屋の窓をたたく

 もし部屋が変わっていたら 不法侵入で捕まっていただろう 起きて出てきてくれた この安堵感は何だろう 救われた瞬間であった

 人が俺を救ってくれる 俺は人を救っているのか...

 そんなこんなで 他の仲間にも会え ホームステイ先に戻る 歓迎してくれた これほどうれしい事はあまり無い 旅の話 家族の話

 前にいた時とは明らかに違う英語力で家族と話せた すげー進化した 俺だった

 学校に戻れば 先生に15分旅につて話してくれと言われ授業をする  俺英語できてる 

旅に出て様々な人に会い 助けられ 話 生きてきた  カナダの旅は無駄ではなかった と思った

こうして 再びいつの日か帰ると良い放ち 慣れ親しんだ街を後にした

 

 

 

 再会 再会 また再会

 バンクーバーのバス停につくと カムループスのYHで出会った かずやが迎えにきてくれていた

 今はバンクーバーでアパートを借りて住んでいると言う事で 数日お世話になる事に 旅に出て一番高いのは 衣食住の住だ すごく助かる

 久々の話は尽きずに 楽しい日々を過ごした そしてもう一人どうしても会いたい奴が 近くにいるので 会いに行く事に 

こうさくだ(東南アジア編に出て来る大学の同期)

 バスで5時間位だろうか バス停につく その場所には語学学校が一緒だった仲間が住んでいる と言うわけで再会 で次の日 

こうさくに会いに行った

 What's up man? こさくの挨拶はいつもこれから始まる 今までの俺だったら ビビっていたが さすがに7か月もいれば答えられるさ

 こうさくはカナダの大学に通っている 寮に数日お世話になる その寮には各国からの学生が集まり 久々のキャンパスライフ満喫である

 もともとこいつは英語ができると聞いていたが ここまでできるとは驚きだ それ以上に こうさくは俺の英語の伸びに驚いたらしい

 てっきり 通訳が必要かと思った だって 確かにそこまで流暢に話せるわけでも 全てを理解は出来ない だが ノーマルな会話ならできるぜ

 俺をなめるな を連発した のであった

 時は流れ出発の時が来た またカナダでな と言い残し こうさくと別れた

 で再びバンクーバーに帰り かずやにお世話になるのであった...  帰国日あとわずか 共に飯を食いに行き 

これからの展望を語り  去って行くのでした

 朝一番の飛行機なので 前日晩より空港待機 であまりにも遅い時間だったので 途中からバスが無くなり 

 雨の中を30キロを超えた荷物を持って歩き出した ここは来た時自転車で通ったなー なんて言いながら 荷物重たいな とぼやきながら

 1値時間位かけて ずぶ濡れで空港へ 空港内はかなり快適だった 誰とも話さず この旅を振り返った 

長かった 熊にも負けず 大風にも負けず...

 いつもそうだが 泣けて来る それが辛ければ辛い程 達成感とでも言うのだろうか 旅の終わりはいつも 切なくそして 次の旅を誓う

 終わりの無いであろう 俺の旅は続くのでした